ダンスが父SSに捧げる圧勝/米G3
<キャッシュコールマイル>◇1日=米ハリウッドパーク競馬場◇G3◇芝1600メートル◇3歳上牝馬◇出走8頭
ダンスインザムード(牝5、藤沢和)が日本産&日本調教のサンデーサイレンス産駒として初めて、父の故郷で重賞制覇を飾った。2年前のアメリカンオークス2着に続く2度目の米国挑戦で日本の悲願を達成した。藤沢和雄師(54)は98年タイキシャトル以来8年ぶり2度目の海外V。帰国後は10月29日東京の天皇賞・秋(G1、芝2000メートル)を目指す。
ダンスインザムードの勝利を一番喜んでいるのは、天国の父サンデーサイレンスかもしれない。中団後方を進んだ孝行娘は4角手前から動き、ひとまくりで一気に先頭集団に並び掛けた。V・エスピノーザ騎手の見せムチに闘志をたぎらせ、直線半ばで先頭を奪う。そのままリードを広げ、2着に差してきたスウィートトーカーに1馬身3/4差をつける完勝。父が初勝利を挙げたハリウッドパーク競馬場で地元勢を一蹴した。1分33秒33はレースレコード。ジョッキーは「強い馬であることはこちらにいても分かっていたので、自信を持って乗った。彼女は非常にリラックスして、こちらの指示を待っていた。少し手を動かしただけで反応してくれた。想像通りの強さ。最後の直線でも楽な手応えだった」と絶賛した。
日本馬が海外で勝つことは珍しい時代ではなくなった。G1は14勝を数える。SS産駒もステイゴールド、ハットトリック、ハーツクライで3勝している。しかし今回は日本で生まれ、日本で調教されたSS産駒が父の故郷で挙げた初めての重賞勝利。格はG3でも特別な意味がある。日本馬の劇的なレベルアップに貢献したSSの子を米国国民に認めてもらうことは、購買した社台グループに代表されるホースマンの夢であり願いだった。ダンスインザムードだけでなくバブルガムフェロー、ゼンノロブロイ、スティンガーでG1を取り、最初からSS産駒の卓越した資質を認識していた藤沢和師の言葉が象徴している。「アメリカの地でサンデーサイレンスの子で勝つことができて本当にうれしい」。見事に2年前のアメリカンオークス2着の雪辱を果たしたトレーナーは感慨もひとしお。「去年はレースで落ち着いて走れなかったが、今はそんなことはない。2年間で馬が精神的に大きく成長したのが勝因。いつも牡馬と走っているから、負けるわけにはいかないと思っていた」と胸を張った。
次の目標は過去2着、3着と惜敗している秋の天皇賞。牡馬を倒して歴代の名牝に肩を並べる。
現地時間2日、米・ハリウッドパーク競馬場で行われたアメリカンオークス(3歳牝、米G1・芝10f)に日本から参戦したアサヒライジング(牝3、美浦・古賀慎明厩舎)は、単勝1番人気に支持され、後方3番手から直線追い込んだが、好位追走から4角で先頭に立ったG.ゴメス騎手騎乗の3番人気ウェイトアホワイル Wait a While(牝3、米・T.プレッチャー厩舎)を捕らえることができず、4.1/2馬身差の2着に敗れた。勝ちタイムは1分59秒38(良)。さらに1/2馬身差の3着には5番人気アラヴェイル Arravaleが入った。
勝ったウェイトアホワイルは、父Maria's Mon、母Flirtatious(その父A.P. Indy)という血統の米国産馬。05年8月にデビューし、2戦目で初勝利。今年2月のダヴォナデールS(米G2)で重賞初制覇を果たし、アシュランドS(米G1)2着、ケンタッキーオークス(米G1)3着とG1でも良績を残していた。前走サンズポイントS(米G3)で重賞2勝目を挙げ、今回は初勝利以来の芝でのレースだった。通算成績10戦5勝(重賞3勝)。
