ユキチャン!!
ユキチャン

ユキチャンが白毛馬として初の重賞制覇−。交流重賞の第44回関東オークス・G2(ダート2100メートル、14頭立て)は18日、川崎競馬場で行われ、2番人気に支持されたユキチャン(武豊)が、1周目のスタンド前で先頭を奪い、そのまま押し切った。2着プロヴィナージュとの差は8馬身。カクテル光線に輝く白毛馬の独走劇に、スタンドは大歓声で包まれた。

 カクテル光線を浴びた純白の馬体が、後続をみるみるうちに引き離していく。ユキチャンだ。後ろからは何も来ない。武豊は手綱を持ったまま。直線の一人旅を楽しむと、圧勝のフィニッシュを決めた。

 着差「8馬身」。史上初の白毛馬重賞制覇は、いとも簡単に達成された。「緊張したけど、本当に強かった。かわいいだけじゃなくて、強い姿を見せられてホッとしました」初コンビの武豊が笑顔をこぼすと、詰めかけた観衆から大歓声が起きた。

 スタート直後は2番手を進んだが、抑え切れない手応えで1周目のゴール板を過ぎて先頭へ。あとは、最後まで後続に影を踏ませなかった。「少し力んでいたので、逆らわずに行かせた。先頭に立ってからは機嫌良く走っていた」父クロフネを思わせる推進力だった。

 父母ともに所有していた金子真人オーナーも、満面の笑みだ。「あつかましいけど、(圧勝すると)半分は思っていた。走りから向くと思っていたのでね。まだ3歳だし、芝でも十分に行ける馬です」

 この後には、上半期の最強ダート3歳馬決定戦・ジャパンダートダービー・交流G1(7月9日、大井)が控える。後藤調教師は「とりあえず、ここの予定だったから」と言ったものの、「否定はしない」と前向きな姿を示した。秋にはジャパンCダートもある。ユキチャンへの夢は膨らむばかりだ。

 「イメージはかわいいけど、すごくパワフルな走りで、乗ってみると大変」と苦笑いした武も、思いは同じ。「これからも、たくさんのファンに応援されて活躍できる馬だと思う。応援してください」と大歓声に応えた。人気と実力を兼ね備える新ヒロインの誕生。人気が停滞する競馬界に、希望に満ちた白い花が開いた。

 ◇ユキチャン 父クロフネ、母シラユキヒメ(父サンデーサイレンス)。牝3歳の白毛。戦績・5戦3勝(うち地方1戦1勝)。重賞初制覇。総収得賞金・4728万7000円(うち地方3200万円)。生産者・北海道安平町のノーザンファーム。馬主・金子真人ホールディング(株)。美浦・後藤由之厩舎所属。

 ◆白いファミリー ユキチャンの母シラユキヒメは96年、突然変異で白毛として誕生した。競走成績は9戦0勝だったが、繁殖牝馬になって、シロクン(5戦0勝=引退)、ホワイトベッセル、ユキチャンと、次々に白毛馬を産んだ。このファミリーは、ホワイトベッセルを除いて、すべて後藤厩舎に入っている。

 ◆白毛馬 サラブレッド界では非常に珍しく、産まれる確率は、約1万頭に1頭と言われている。過去に日本で誕生したのは、わずか18頭。現在JRAに所属するのは、ユキチャンと、その全兄ホワイトベッセル(牡4歳=7戦3勝)、マダムブランシェ(牝3歳=3戦0勝)の3頭しかいない。JRA所属で勝ち星を挙げているのは、ホワイトベッセルとユキチャンの兄妹だけ。地方競馬では、過去に4頭が白星をマークしている。
【2008/06/20 10:49 】
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